ॐ Stories of Pandit Pran Nath ॐ
Terry Rileyが初めて師に出会ったのは、1970年のこと。Pandit Pran Nathは、La Monte Youngらに招かれ、初めてアメリカに渡ります。
ロサンゼルスで開かれた小さな集まりで、彼はRaga Darbariを歌いました。その夜のことを、Terry Rileyはのちにこう振り返っています。
会場にいた人の半分が涙を流し、自分自身も、その一人だった。なぜそこまで心を動かされたのかは分からなかった。
けれどそれは、それまでに聴いてきたどのインド古典音楽とも異なり、自分の魂へ向けた、太古からの呼び声のように感じられた、と。
この体験をきっかけに、Terry RileyはPran Nathに弟子入りすることとなり、それまで一度も考えたことがなかったという、「声で歌う」修行の道へ踏み出します。すでに作曲家としてキャリアの一つの絶頂期にあったにもかかわらず、すべてを一旦脇に置き、弟子として身を捧げる生活を選んだのです。
この初の渡米を境に、Pandit Pran Nathの音そのものに対する徹底した献身と、微細な音律への探究は、1970年代アメリカ音楽の地下水脈に静かに、しかし確かな変化をもたらしていきます。